歯科麻酔 笑気・静脈内鎮静ってなに?
こんにちは。
今回は私が働く歯科麻酔科について。
歯科麻酔科では何をしているか、というと
・全身麻酔中の管理
・静脈内鎮静、笑気鎮静といった精神鎮静法
・ペインクリニック
が主な仕事です。
今回は特に精神鎮静法(笑気鎮静・静脈内鎮静)についてお話しします。
鎮静とは?
『歯科治療に対する恐怖心や不安・緊張を抑制し、快適かつ安全に治療を施行する目的のために、薬物を使用して患者管理を行う方法を精神鎮静法という』(歯科麻酔科学 医歯薬出版)
眠くなる作用や、ぼーっとする作用を持つ薬を使用して治療中の恐怖心などストレスを緩和する治療のことを言います。
どんな人が対象なの?
・歯科治療に対してトラウマがあったり恐怖心があって普通の治療ができない人
・口の中にモノが入った時にオエっとえづいてしまう嘔吐反射が強い人(異常絞扼反射と言います)
・障害や発達遅延、精神疾患などによって治療を行うことができない、治療内容が理解できずに指示に従えない人
・血圧が異常に高いなどストレスによる反応が危険となる人
こういった方は精神鎮静法の対象となります。
また、手術時間が長時間となることが予想される場合や、ストレスが大きくなる処置の場合なども対象となります。
どうやってするの?
①まずは全身状態に問題がないかどうか血圧計や酸素測定器を使用してモニタリングしていきます。
②点滴をとります。
③笑気鎮静法の場合は鼻から酸素と笑気を吸っていただきます。静脈内鎮静法の場合は点滴から薬を投与します。
④数秒ほどで眠たくなったり、不安がなくなってくるので治療を開始します。
⑤治療が終了したら、薬を止めると段々とはっきりと目が覚めてきます。
危険性・リスク・合併症は?
笑気は比較的安全に使用することが可能できます。ただし、緑内障など一部使用できない方もいます。
静脈内鎮静法の場合、使用する薬剤によっては呼吸が弱くなったり、血圧が変動したりすることがあります。特に歯科治療は口腔内で水を使うことが多く、誤嚥性肺炎などのリスクがあります。
こういった万が一の場合の緊急対応を行えるよう、十分にトレーニングを積んだ歯科医師が歯科麻酔科医として治療の間ずっとそばで見守ります。
まとめ
あまり聞きなれない歯科麻酔科医ですが、少しでも知っていただけたら嬉しいです。
歯医者が怖い人はたくさんいると思うので、我慢し続けるのではなく歯科麻酔科医に一度相談してみてもいいかもしれませんね。